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2012.02.23

川は、文化をつくる。

福岡に行ってきました。

iPhoneのGPSを頼りに、とぼとぼと夕暮れの街を歩いていたら、大きめの橋にぶつかりました。
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川が醸し出す景色。
仕事やら何やらを抱え込んだまま旅に出た自分にとって、それはとてもほっとするもので。
たとえ一瞬でも、もやもやとした感情を晴らしてくれる空気が、そこにはありました。
思い返せば、盛岡の街にも川が流れていました。
冬の寒さから夏の暑さまで、川は季節ごとの景色を演出してくれていました。

街に川が流れていること。できればアップタウンに。
それが、街の文化を形成する上でとても重要なことに思えてきます。
川が生み出す空間が、街に余裕を持たせている。その“隙間”から文化が生まれるのかな、なんて。

もちろん、東京にも川は流れています。
しかし隅田川や荒川や江戸川など、その殆どはダウンタウンにあります。
アップタウンの川は殆どが実質暗きょ化され、地上の空間は埋め尽くされています。
余裕を失った空間からは、文化は生まれない気がします。
東京発の文化は、その閉塞性ゆえに生まれた(それゆえ世界的に見ればオリジナルなのでしょうが)と考えていいでしょう。
個人的に「東京は“機能都市”であり、たとえ2週間でも“機能”を麻痺させる催事(≒文化)は東京の価値をむしろ低下させる」という理由でオリンピック招致にはずっと反対なのですが、改めてその思いを強くしました。

さて本題。

GPSを頼りにやってきたのは、宮崎に数店舗展開しているという「辛麺屋枡元」の支店。
もう18時過ぎてるのに開いてない、でも店内で準備はしてる。中に人がいたのでドアを開けて声をかけると「8時開店です」…遅いなおい。飲み屋街とはいえ。
どうしたものかとまた街中をとぼとぼ。公園前の歩道に数軒の屋台があったので、想定外の屋台デビューとなりました。ラーメンと餃子を注文。お湯が沸いてなくて餃子が先着、食べ終わると同時にラーメン到着。思ったより薄めのスープでした。
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アーケード街を抜けて橋を渡ると、そこがGate'sビル。TSUTAYAやらドンキやら場外馬券売場やらが入ってる、まぁそんな感じ(どんなだ)の雑居ビルです。妙にドキドキしながら7Fへ上がると、ちょうど自分の整理券番号の入場が始まったところ。上手側に席を確保。4人1組でテーブルを囲む形。ボックス席や後方のテーブル(一段高い)には「◎◎(主に企業名)様」と書かれた紙が多数。ビールを呑んでると「ここ3人空いてます?」とご婦人に声をかけられる。どう見てもご家族ですねわかります、って感じ(笑)。「記念に…ね」と言いながら眺めていた生写真の主がお嬢様なのでしょう。
スクリーンには「LinQsuperLIVE Magic」の文字。なぜVol.2ではなく“Magic”なのか、生LinQ初見の自分にはこの時点で分かる訳もありません。
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LinQ本体の公演はYouTubeやUstreamで断片的にしか見たことのない自分でも、わざわざ「LinQsuperLIVE」と銘打って年長メンバー=LinQ Ladyだけで公演するんだから相応のことをやるんだろうな、くらいは考えます。そういう先入観で見ていれば、いつもと違う内容なんだろうな…くらいはたとえ初見でも感じるでしょう。オープニングの群舞然り、オケのほぼ全曲リミックス(派手ないじり倒しではなくかなり細かい手直しだったようです)然り、伴奏アコギ1本の“LinQstic”然り。(メンバーの)年齢的なレンジの広さを芸域のレンジの広さとして見せるためのプレゼンテーションがLinQsuperLIVEというシリーズ?なのかな、と。それをアピールできるだけの力をつけてきたということでもあり、またアピールしなければならないという焦りがあるのかもしれません(最後の“総長挨拶”にも感じたことです)。
ウチみたくMixがあまり好きじゃなくて(むしろ嫌いだ)落ち着いて見たいなーと思う人には好適な環境でしたが、常連さんはウズウズしてたんだろーなー、とトバし気味構成の終盤で盛り上がる前方の客席を見ながら思ってました。それくらい、オープニングから中盤までは“大人”を意識した展開。ゆん様の「皆さん呑んでますかぁ〜?」や智聖さんの「熊本のお酒と言えば、白岳・しろ♡」という“通常公演ではできない”煽りもいいアクセントに。そして「Sakura物語」初披露をピークにPV放映(総長NGシーン付)〜“LinQstic”という流れで和ませた後、姫崎“あーみん”愛未がやってんのかサポートのDJさんが仕切ってるのか分かんねーよ的なDJタイム(的な何か)。アニソンばっか数曲流れた後に前述のとおりノリノリ構成の終盤。豆は投げる(節分なので)、タオルは振り回す(そういう曲なので)、そして「呑み足りない人ぉ!」という客席への呼びかけに「はーいはーい」と手を挙げる…ゆん様(を)そして最後メンバーが舞台からハケて、さてどうしたものかと客席が躊躇したところへDJブース居残りのあーみんが一言。
「アンコールしか♡」
どんな煽りだ(笑)かくしてお決まりなアンコールの中(以下うろ覚え)
姫「えっとぉ“For You”と“カロリーなんて”の2曲あるんだけど、どっちがいい?」
客「両方!(たぶん仕込みじゃなく素で言ってる)」
姫「ん〜、だけど時間とかあるからねぇ(21時25分頃)…じゃあ、2曲を一つにしちゃおう!」
客「(は?)」
姫「あーみんの魔法で、1曲になーれぇ!」
かくしてアンコール。「For You」を「カロリーなんて」の振付で唄う→「カロリーなんて」を「For You」の振付で唄う→最後は小節単位で入れ替わってもうグチャグチャ→ゆん様「アンタどんな魔法かけてんのよ!」と突っかかる(以上うろ覚え)…見た目くだらん(失礼)割に手間かけてました。キチンとリミックスして振付も調整して小芝居も打つ(笑)ここまで形にできること、これをディレクションできる人がいるってのがとても重要。それを地方(っても九州の中心都市ですけど)の人材でほぼ賄えてることに感心しました。物販で生写真を買おうかと一瞬思いましたが地味にステッカーのみ購入して外へ出ると入口でハイタッチのお見送り。智聖さんに声をかけたばっかりにみくさんスルーというのは大失態でしたが、まぁ自業自得です。この借りは東京圏イベントでどうにかします。

これは予想してたことでもありますが、基本的に落ち着いた環境で、最後に通常公演の要素も垣間見れるような構成は、自分みたいな嗜好性を持つ人にはちょうどいい感じで、LinQ初体験としては理想的でした。特にハコが醸しだす“ライヴ感”はパードル(!)に影響受けた者としてはたまらんものなのです。そして特に印象に残ったのが智聖さん。終始イキイキした表情で、本当に唄ってることが楽しそうで。こんな人が1年前までよくバスガイドで収まってたもんだと。才能ってのはどこに隠れてるのか、分かんないものです。

福岡の繁華街を一人、とぼとぼとホテルへ戻ります。ヘタしたら東京より寒いんじゃないかと思うくらい。ウルトラライトじゃなくてコート着て大正解(重いけど)。部屋に戻って持ち込んだ仕事をどーしようと思いましたがとりあえず辛麺リベンジと思い外出。若者の博多弁が飛び交う繁華街の少し入ったところにさっきとは別の店が。場所柄からか若者向けな店構え。いただきました辛麺。
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“こんにゃく麺”と言うより細打ちの盛岡冷麺な趣き。替え玉のちゃんぽん麺の方がいいかもしれない。ホテルに戻って仕事を片付ける…前にステッカーをパソコンに貼り付けました。あー、小野さん(LinQ運営)と藤村さん(水どうD)って似てるかもしれんなー。地方発で、でも地方色はそんなに出してない、っていう点で。
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