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2012.01.12

コモディティ化する社会におけるクリエイティブとは。(なんちゃって)

昨年12月1日付で“社会復帰”しました。
フリーペーパーで偶然知った地元の広告会社です。面接のその場で内定って感じでした。まだ少し、運は残っているようです。
今のところはDTPオペレータ+経験?を活かして多少ちょっかい出したりもする感じ。基本的には社長の個人事務所ですが、慣れてきたら自分でも少し動ければいいなと。興味のほぼ全てをアクアラインの向こう側に吸い取られてるこの街の現状を少しでも変えられればと思いますし、それが飯の種になるのなら尚更です。

さて、DTP仕事に復帰するとなると、webサイトや印刷物に対する見方も少し変わってきます。
驚いたのは「小塚ゴシック増えたなー」ということで。少し前なら新ゴシック使ってたであろうものがかなり置き換わってる印象。確かにあの書体は便利。特に英数字がMyriad系似でモダンに見えるので、値段や日付も同じ書体で通せるのは楽です。でも、恐らく本当の理由は「タダで使えるから」でしょう。小塚ゴシック/明朝はMacOS Xにバンドルされ(因みに買うと合計170800円)かつ一般的な商業利用が認められている(同じMacOS Xバンドル書体でもヒラギノ系は明文化されていない模様。まぁぶっちゃけ使ってますけど)。太さもゴシック・明朝とも6段階あるので、簡単なチラシならこれだけでも作れます。代理店の営業さんやクライアントさんが案外気にしない(新ゴ系がアウトライン化された部分を小塚ゴシックで打ち替えてゲラ出してもまず指摘されない)ことも分かってきたので、MORISAWA PASSPORTLET'S等で“(往年の)定番フォント”類を揃えるのも保留です。会社のiMac(複数台)に全部入れたら年間20万円くらい飛んでいきますからね。こういう考えの人、多いんだろうなぁ…

ふと(こういうのも“コモディティ化”って言うんだろうか…)と考えました。新ゴやリュウミン等の必需品と言われた書体が実質フリーウェア化した小塚フォントに置き換わっていくという流れは、普段使いレベルでのクオリティの差が消えてメーカーのブランド力が失われるという意味ではコモディティ化と言えるのかもしれません。そしてハローワークで何度か見かけた(これOfficeで作ったのまんま出力してねぇか?)的な表紙のパンフレット群もその流れの上にあるようです。必要な内容さえ書かれていれば、見てくれがどんだけダサかろうと構わないということ。そこに「クリエイティブ」とかいう大仰な言葉の入る隙間はありません。そういう世界に、そういう時代に、自分は生きているのです。
視点をズラしてみると、昨今急増している“ご当地(ローカル)アイドル”もある種のコモディティ化と言えます。そのお手本となるのは当然AKB48な訳ですが、地方都市にも経験豊富なダンスインストラクター(や経験者)がいたり、県庁所在地ならファッション/クリエイティブ関連の専門学校もあったり、プロミュージシャンでなくとも動画投稿/配信サイトで名の知れた作曲者が地方在住なことも多いので、アイドル本人だけでなくそれに関わる人たちもある程度のレベルの人材を地元で確保できたりします。そしてネットベースで情報を発信する分には物理的な差はほぼフラットで、あとはセンスとマスメディアとのコネくらいしかハンディはありません(その差が半端なく大きいのも事実ですが)。ただ、工業製品と違うのは、そこには「クリエイティブ」という言葉が入り込む隙間が残っていることです。昔と違い、今はお手本(フォーマット=AKB48的なもの)があり、それをなぞればそこそこ見れるものができます(工業製品ならそれでいい)が、全体的な“詰めの甘さ”を感じるものが多くなる印象があります。10年前に見た酒田発アイドルプロジェクト=SHIPは正にそれでした(当時と今では諸条件が違いすぎますが)。自分みたくヲタっ気がある人はそこを味わったりもしますが、一般人にとってそれは“詰めの甘さ”でしかありません。そこにツッコミを入れることでアピアランス全体を底上げして、どこに出しても大丈夫なものに仕上げる。その上で既存のものとの差異を考え、個性にしていく。そんな場所に「クリエイティブ」という言葉や価値が入り込める気がするのです。

勿論、自分の力だけではどうしようもありませんが、小さな組織の中で曲がりなりにも自分の考えで動ける環境にいるのだから、目の前にある現実の仕事をこなしながら、そんなことを考えつつ働いていけたらいいなぁ、と考える昨今です。

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