« 無間地獄の予感 | トップページ | 月金休みが板について参りました。 »

2006.10.16

公共交通の行方〜ピーチライナー廃止に思う【暫定textバージョン】

※後日、写真を追加の上で再度アップします。リンクも充実させるつもり。
※ひとまず、文章だけアップしておきます。
※興味のある方はどーぞ。

「新交通システム」という言葉の定義は複数あるだろうが(参照)、一般的には「ゴムタイヤ等“鉄製レール+車輪”以外の仕組みで走行し“バス以上・鉄道未満”の輸送能力を持つ公共交通」といったところだろうか。僕がはじめて「新交通システム」に乗ったのはポートピアの時に乗ったポートライナーだったと思う。ポートピアランドの観覧車から見た、中埠頭駅の車庫から出てくるポートライナーの車両を夢中になって撮った思い出がある。無人で動く小さな車両はまさに“未来の電車”そのものだった。そしてポートライナーに刺激されるかのように、いくつかの都市で「新交通システム」が計画され、80年代後半から開業していくこととなる。
そんな「新交通システム」のイメージが悪くなったのはいつからだろう。スピードが遅い(構造上出しにくい)、運賃が高い(新規建設の路線は基本どこもそうだが)、乗り降りが大変(高架のホームが多く動線が長くなりがち)、経営状態がずさん(3セクが多いから?)…大袈裟に言えば“中途半端な交通機関”のレッテルを貼られてしまった感の強い。そしてとうとう、廃止される新交通システムが現れた。名古屋近郊のニュータウンを走る路線。友人によれば「平日とはいえ、廃止5日前だというのに、鉄分の多い人がまるでいない」。本当にそうなのか、見ておきたかった。幸か不幸か、木・金曜が急遽休みになり時間もできた。せっかくだから名古屋近辺の他の路線も乗っておこうか…そんなことを考えながら慌ただしく支度を済ませ、東京駅で帰路のぷらっとこだまを確保し、名古屋行の高速バスに乗り込んだ…つくばライナーがほぼ満席なのには驚いた(勿論、本数はTX開業前の半分以下である)。

翌朝9時すぎ、宿泊先の一宮から東海道線普通で、まずは枇杷島へ向かう。とても名古屋の隣の駅とは思えない寂れた雰囲気。そしてその寂れ具合を加速させるのが目指す「城北線」の短いプラットホームだ。名古屋の隣の駅から出てるのに単行ワンマンのディーゼルカーが1時間に1往復だけ走る(さすがに平日の朝夕はもっと走るが)謎のローカル線。列車を待ってると貨物列車がホームを通過したりするので貨物線から現れるのかと思いきや、その上下線の間にある単線から列車は現れた。5人ほどの乗客を乗せて出発。驚いたことに、東海道線をオーバークロスすると複線になる!基本60分間隔なのに…高規格で見通しも良い線路をトコトコ走る単行のディーゼルカー…ギャグである。ムダである。沿線は住宅も結構建っているが、名駅に直通しないからか、途中でクロスする名鉄犬山・小牧線と接続しないからか、マイカーやバスの方が便利なのか、高架のホームに上るのが面倒なのか、ひょっとして存在自体を知らないのか。確かに途中から高速道路に添って走るので、下から見たら道路と鉄道の区別はつきにくいかも知れないが、それにしても…終点・勝川の手前=味美で下車。高速道路と同じ高さから地下道まで延々と階段を下りる。地下道は以外と明るいが誰も通らない。平日の午前10時すぎ、何とものどかな、郊外の風景である。

同じ「味美」を名乗ってはいるが、城北線と名鉄小牧線の両駅の間は1km弱ほど離れている。天気がいいから歩いても苦にはならないが、雨だったらヤだったろうな。自衛隊機が低空で飛ぶ姿を頻繁に見るようになる。旧名古屋空港がコミューター機・自家用機・自衛隊(以前から共用していた)用に存続してるのは知ってたが、数が案外多い。駅のホームの小牧寄りに立つと、ちょうど着陸経路に当たるらしく、真上を自衛隊機やセスナが頻繁に飛んでくる感じで飽きない。やってきた電車は名鉄なのにステンレス車で(前夜名鉄名古屋駅でも見たが)ピンクの帯が巻かれ、車内の手すりまでピンクに塗られている。確かに乗り入れてる(というか小牧線活性化のために名古屋市が作ったようなものである)地下鉄上飯田線のラインカラーもピンクだが、だからって…車掌が乗ってないということはワンマン運転な筈だが、その割にはホームに柵の類がないのも気になるところ。こういうのって国交省は基準作ってないんだっけ。

名鉄小牧駅の改札を抜けると、目指すピーチライナーの駅舎は直結状態。第一印象は悪くない。券売機前ではテレビ局のカメラクルーが取材中。それを眺めながらきっぷを買い…うわ、なんだこの古ぼけた自動改札は。首都圏ではとうに息絶えたと思われる“鉄板折り曲げて作りましたぁ”感の強く漂う無骨さ。共通SFカード=トランパスに加入してるので対応する新型機種もあるが、車椅子でも通れるバリアフリータイプの1台だけ。こんな所にも“金のなさ”が垣間見える。ホームに上がるとその感は強くなる。ホームドアに貼られた色褪せたステッカーに苦笑。さすがにラスト前日だけあってそれなりに人はいる。数人の鉄チャンの姿も。しかしそれ以上に目立ったのはお年寄りの皆さん。地元に長年住んでる方なのか、それとも廃止と聞いてやってきた方なのか。ざっと見たところ8割方がお年寄り。そして予想通り、普段使いのじもP風の人の姿は両者に埋もれてしまうほど目立たない。折返しになる列車が到着。平安通寄り?に人が群がる。全国でもここだけのループ線による折返しをカメラに収めるためだ。それゆえ車両は前にしか運転台がなく(正確には後にもあるが出庫時しか使わない)ホームも全て島式なので右側にしかドアがない。車内に入ると、年季が入ってるというか“くたびれた”感じが気になる。ここ数年で首都圏の電車がかなり世代交代して新車が普通になってしまったせいもあるだろうが、シートの生地を張り替えるだけでも雰囲気は格段に良くなるのに…もう遅いけど。

座席は半分強ほど埋まっただろうか。発車してみれば、フツーの「新交通システム」って感じで走る。しかし、車窓は明らかに「新交通システム」ではない。田んぼは横切るし、うねるカーブ区間もあるし。眺めは良いけど。街並みが整ってきたなぁ…と思ったらいつの間にか桃花台ニュータウンに入ってた感じ。中央道をまたいですぐに終点=桃花台東駅着。何だかあっけない。まぁもともと新交通システムに必要なのは機能であって旅情なんかではないのだが。またしてもループ線側にお客さんが群がる。ループ線が少し持ち上がり、下に線路を通せる構造になっているのは高蔵寺へ延長する予定だった名残らしい。
一通り撮影を終えて改札階へ降りようとしたら、朝日新聞春日井支局の記者さんに捕まり、取材を受けることに。“新しい”ことに拘るのではなく本当に沿線住民が使いやすい公共交通機関のあり方は何かを再考する必要がある、ピーチライナーは“無策の犠牲者”であり、この廃止を関係者は警告として受け止めなければならない…そんなことを話した(つもり)。
駅を出て、中央道をまたぐ撮影ポイントを探すが、なかなか良い感じの場所が見つからない。駒ケ根に住んでた頃、名古屋行の高速バスに乗っていて、ピーチライナーをくぐるのが(もうすぐ名古屋だ)という目印だったので、こだわりがあったんだけど…車庫も柵が高くて留置車両をうまく撮れない(そりゃ保安上はそうなるが)。結局、車庫と団地群を絡めたり、並行する歩道橋から金網越しに撮ったりしてお茶を濁すことに。新交通システムが“撮り鉄”には厳しい素材であることは承知してはいるが、それにしても。

バス事情の確認と昼食を兼ねて、桃花台センターまで1区間だけ戻る。アピタも入居するショッピングセンターは12時すぎなのに閑散の一言。センター内の寿がきやでねぎラーメンとソフトクリームの昼食。さてバス乗場は…と探してみて愕然。バスロータリー的な施設がないのだ!いや、正確にはタクシー用のロータリーの近くにコミュニティーバスの停留所がポツンとあるのだが、それだけ。11m級以上の大型バスが入れる感じでもない。交差点にあった案内図も路線再編の過渡期らしく未整備なようで、目指す高蔵寺駅行がどこから出るのか的を得ない。ここか?と当たりをつけたバス停には「栄・名鉄バスセンター行」と「春日井駅行」の時刻表があったので(あーだったら春日井駅行でいいや)と思っていたら、ちょうど来た名鉄BC行バスの運転手氏「あ、それ10月からのだから。春日井行はここじゃないよ」「(どこにあるんでしょう?)いやぁ、そこまでは…」だって。もう一度交差点まで戻って春日井駅行のバス停を確認。駅の出口と線路を挟んだ向かいにあった…春日井駅行のバス停を発見し、ふと道路を挟んだ向かいを見たら「高蔵寺駅北口」と表示されたバスが!頭にきてたので中央分離帯を乗り越えて乗車。ピーチライナーの線路と並走し、中央道をくぐり、桃花台東駅を右に見つつ、桃花台ニュータウンを脱出し、1.5車線くらいしかない細い道を走り、そこを抜けたら…団地だった…高蔵寺ニュータウン…こっちから桃花台につなぐのが先じゃん!誰だ、こんなバカな建設計画立てたのは。

高蔵寺から愛知環状鉄道で八草へ。JR東海313系ボックスシート仕様と同一タイプの2両編成。八草駅には結構な数の若者の姿。どうやら愛知工業大学のキャンパスが近くにあるらしい。確かに15時すぎだからね。ホームにイスがないから皆ジベタリアン状態(苦笑)。目指すリニモのホームにも同様の若者の姿が。やってきた折返し列車が毎日コミュニケーションズ(毎日就職ナビ)のラッピング車両なのも納得。車内も座席の2/3くらいは埋まってる感じ。万博後のリニモは彼ら・彼女らの存在が生命線になるのだろうか。(帰宅後改めて確認したら、リニモ沿線には大学が思いのほか多い。愛知淑徳大・椙山女学園・名古屋外語大・名古屋学芸大・愛知学院大・県立芸大・名古屋商科大・光陵短大・県立大・愛知工大・南山大・聖霊短大…但し、ほぼ全校で駅からスクールバス必須)ただ、ピーチライナーに比べて客層は若いのは救いではあるが、やはり生活感には欠けるし、彼ら・彼女らは4年or2年経ったら基本的にリニモを使わなくなる訳で、沿線に利用客が増える要素が見当たらない状態は変わらないのだ。
旧「万博会場」=現「愛・地球博記念公園」駅で途中下車。公園自体はまだ再整備の真只中で賑わいはなく、むしろ観光バスが1台いたのが不思議なくらい。諸設備が完成すればそれなりに賑わうのだろうか。会期中に来ることはなかったのだが、駅やリニモから眺めると開墾された敷地は思ったより広くない感じで、なんか国際万博って感じがしなかった。それほど事前の反対運動が強かったということなのか。駅周辺で少し撮影。柵が低い(車両が下まで見える)ので撮り甲斐はあるが、折返しを狙ってたコカコーラのラッピング車両(当然真っ赤)が回送で引上線に吸い込まれて呆然。長久手古戦場駅辺りからやっと市街地っぽくなってくるが、相変わらず客は殆ど学生風。桃花台で会った朝日の記者氏が「リニモの累積赤字はあと2年でピーチライナーに並びますから、10年くらい経ったら廃止ですよ、きっと」なんて言ってたのを思い出す。そこまでとは思ったけど、まぁ当分は赤字タレ流しモードだな…とは思った。藤が丘駅のあまりのショボさに驚く。地上につながる階段の狭さったらない。よくもまぁ、こんな小さな電車&駅に万博輸送のメインを託したモンだと思う。

特に意味もなくナディアパークに立ち寄り(紀伊国屋書店も30日で閉店だった。来春名駅近くに移転とのこと)時間を潰すが埋まらない。(明日仕事があるから)なんて考えて、最終のこだまでグリーン車(勿論ぷらっとこだま利用。普通車+1000円)としゃれ込んでみたが、よく考えたらそれに1000円も足せばのぞみの自由席で帰れたのだ!どうりで空いてる訳だ。1両に3人、しかも11A・11D・12D(自分)…新横浜で11の二人は降り、東京駅では僕一人だった。そしてグリーン車を奮発した甲斐もなく、翌日は実に見事にぐったりしていたという(苦笑)

« 無間地獄の予感 | トップページ | 月金休みが板について参りました。 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4025/12311127

この記事へのトラックバック一覧です: 公共交通の行方〜ピーチライナー廃止に思う【暫定textバージョン】:

» ピーチライナー廃止直前の旅  [くろグ.Life]
 わたしが生まれた街、小牧市を走る桃花台新交通(通称・ピーチライナー)が9月30 [続きを読む]

« 無間地獄の予感 | トップページ | 月金休みが板について参りました。 »